クラフツマン
伝統技術を継承する工夫

平紐用の手組機

手組は細かい図案や、グラデーションなど色彩豊かな繊細な組みを得意とする。

1958年ごろから組紐作りに機械導入した。機械場で紐作りに携わる職人も手組の技術や知識を大切にしている。

インテリアやアパレル、アクセサリーといった他分野への展開も積極的だ。

昇苑くみひも | 組紐
1948年(昭和23年)京都宇治に創業。絹糸の染色から紐の組み上げ、製品への加工まで一貫で行うことのできる組紐工房。帯締めなど和装の用途に限らず、様々なジャンルでの新しい用途提案や商品開発を行う。
宇治に工房を構える昇苑くみひもは、手作業で一本一本製作する「手組」の工房として創業し、その後「製紐機」と呼ばれる機械組を導入した。和装の帯締めなど、繊細で複雑な組み方が必要なものは、現代においても手仕事が適している。そのため昇苑くみひもでは、組み手を増やす為にワークショップを20年以上前から取り組み、人材を確保している。
また近年、和装業界の低迷により、糸染め工房の数が減少している。そのため、少量の糸染めを引き受けてくれるところがなく、約10年前から、
自工房で対応ができるよう一人の職人が中心となって、専門家に教えを請い糸染めの体制を構築してきた。
思わぬ周囲の変化により、自社のコア領域を極めるだけでは、ものづくりができなくなってしまうこともある。時に分業し、時に川上・川下までカバーする。そうやって京都の伝統は引き継がれてきたのだ。