クラフツマン
職人がつくる京銘竹
「京銘竹」と名付けられた竹がある。京都で採れる竹を材料に、竹本来の美しさや強さを引き出すよう職人の手が加えられるもので、「白竹・胡麻竹・図面角竹・亀甲竹」が京銘竹と呼ばれる。京都らしい風景として想起する竹垣、茶室の設えや茶道具など、その柔軟で丈夫な特徴が生かされ、建築材、道具に昔から幅広く使われてきた。
京銘竹の特徴的な生産方法の一つとして、「油抜きの方法」がある。竹の表面を直火で炙り、中から滲み出てきた油分を綿で拭き取った後、天日で干して乾燥させる方法だ。若竹の青みと不要な油分を抜くことで腐りにくくなり、竹から出る油で磨くことでツヤのある丈夫な材をつくる。


京都では青竹から余分な水分や油分を取り除く方法として、を直火で竹を炙る。


丸竹から鉈(なた)とナイフだけで編むための竹材を製作する。





竹工芸は繊細な編みのイメージが強い。竹編に用いる紐状の材料は、職人自らが切り出していく。丸竹から、鉈とナイフを用いて、太い材で幅4mm程度、細い材で2mm程度、編み方にもよるが0.4-0.6mmに切り出していく。
数ミリという幅は華奢で頼りないようにも思えるが、竹の表皮を残して加工するため、幾重にも編み重ねることで、非常に丈夫な仕上がりになる。

横山竹材店 | 竹工芸
1919年(大正8年)に竹材卸問屋として創業。原竹伐採から竹材加工、製造、現場施工まで、竹材に関する全行程を自社で扱う。2005年(平成17年)に竹垣施工技術が認められ京都迎賓館にて竹垣を施工するなど、重要文化財にも携わる。