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ジムニー「動く茶室」
ジムニー「動く茶室」

「喫茶去」
まあ、お茶でも飲みましょう

惜しみなく入れられた職人の技
前席との境には、雪見障子の構造から着想を得た上下に可動する「障子」。天井には柔らかな風合いが美しい金糸が織り込まれた「西陣織」。両側の棚は「指物」の技術を用い、京都北西部・京北の杉ですっきりと仕上げました。床にはい草のにおいが車内に充満しないようにと配慮した、和紙製の「畳」。リアドアの内側には、「指物」の技術で床の間のような棚を設け、「漆」を施した「錺金具」が特別な棚であることを暗示。花器などを飾る場所として、茶室の趣を残しました。そして前席、シフトレバーに銀の「高蒔絵」を施し、亭主である運転手が経年の変化をそっと楽しめる遊び心も忘れません。お茶室のごとく、ジムニーに職人の技を集結しました。

茶室に見立てたジムニー

小山薫堂さんコメント

私の夢の一つであった『ジムニーをカスタマイズする』という企画が、形になりました。今回、茶室の洗練された空間を車の中に表現したいと思い、多くの職人の方の力をお借りしました。天気が良い日にこのジムニーで出かけ、景色の良いところでお茶を一服いただくのが今から楽しみです。

DETAILS

宇佐美松鶴堂|ジムニー専用・雪見障子

雪見障子の構造から着想を得た可動式の障子。和紙を使用した畳。

写真提供 宇佐美松鶴堂

雪見障子の構造から着想を得た可動式の障子。和紙を使用した畳。

宇佐美松鶴堂は、天明年間(240年前)に創業し、西本願寺の御影像修復、御門主様の御染筆表装、両御堂・書院の襖障子の表具工事、また各寺院全国末寺檀家の御影像の御修復を代々手掛けてこられました。現代では国宝・重要文化財の修理・保存、美術品の表装を行い、貴重な文化遺産を未来に繋いでいく役を担っていらっしゃいます。例えば、掛け軸や巻物の修復には、自家製でつくられてから10年寝かせた古糊を用います。50年後、100年後の修復の際に、剥がしやすくするため、敢えて粘着力を弱くする先人の知恵です。

車内に障子を取り入れるには、枠のない雪見障子を誂える必要がありました。構造の検討、適切な素材の選定。職人のこれまでの経験値から、下段の支柱をくり抜き、上部をスライドさせることで稼働する「ジムニー専用・雪見障子」が完成しました。

横山充|和紙の畳

雪見障子の構造から着想を得た可動式の障子。和紙を使用した畳。

© 2021 Yan Kallen

雪見障子の構造から着想を得た可動式の障子。和紙を使用した畳。

畳製作一級技能士である横山さんは京都を拠点に活動し伝統建築に加え、現代アート等のデザイン性の高いプロジェクトにおいて畳製作を手がけています。数百年にわたり形を変えていない畳を、時代に合わせた「適応」と捉え、空間に即した仕様に変える挑戦をされています。

車内という非常に限られた空間に、和紙製の畳を選択することを提案いただいたのも環境に合わせた適応。畳床の厚みも通常のものよりかなり薄く設計しました。また裏には、車の内装材として用いられることの多いスエード生地を用いて床下収納の機能性を担保しました。

兵働知也|京指物の真骨頂

京都の杉を使用した棚 京都の杉を使用した棚

喫茶去ジムニーで最も困難な役を担っていただいた指物師の兵働さん。染色の職人を志すも、茶道指物との出会いから、指物師の道へ進まれることに。現在は里山豊かな京都の北部京北に工房を構えていらっしゃいます。指物の技術だけではなく、彫刻、寄木など木工全般の技を駆使し「スッとしたカッコイイもの」を追求されています。

ジムニーの車内は、実は左右非対称であること、車体とインテリアが一体になるよう設え床の縁をエクステリアとの面をそろえることなど、実車と木を何度も合わせながら、少しずつ削り整えていきました。

昇苑くみひも、錺金具竹内|細部に華を

京都の杉を使用した棚

写真提供 有限会社昇苑くみひも

京都の杉を使用した棚

写真提供 株式会社竹内

京都の杉を使用した棚

茶室には、亭主が趣向を凝らし、客人をもてなします。

リアドアの内側に設えた杉の柾目板を用いた開閉式の棚。床の間のように花や書を飾る場所です。開発当初、棚板の支えを金属製のワイヤーにしていたのですが、どうも味気ない。組紐であれば、太さ・硬さの調整ができることと、糸の素材感の美しさが自然に空間に溶け込みます。紐の結び方の構造だけで開閉できる仕組みは今回初めて考案しました。

錺金具は社寺、仏壇以外ではなかなか見かけることも少なくなりました。当初から目的は変わらず、建築物や工芸品を、より美しく、より丈夫にする「装飾」と「補強」のためにつくられました。植物を中心とした図案が多いことも、日本の美意識を形にしたパーツです。床の間に見立てたリアドア内側の棚にも勿論、装飾と補強の目的で特注の錺金具を多数起用しています。

加地織物|和装技術をインテリアへ

天井に張り込まれた西陣織。 天井に張り込まれた西陣織。

車の天井に、よく目を凝らすと金糸がキラッと光る霞のような表情。西陣織の生地は空間を上質に演出します。 150年以上前、京都の西陣エリアに創業した加地織物は、僧侶の装束や寺院で用いられる装飾品の生地を代々手掛けてこられました。宗教に関連する織物では、金糸、銀糸を使用した華やかな表現に加え、各々の宗派や階級による色・紋の決まり、また住職の好みなど、細やかな対応が求められてきました。その中で培われた高度な織りの技術、多品種少量に対応できるフットワークの軽さを生かして、装束以外の領域へ展開を広げています。

好謙漆工房|エイジング

天井に張り込まれた西陣織。 天井に張り込まれた西陣織。

蒔絵は、漆で絵やパターン、文字を描き、その漆が乾かないうちに粉状の金粉や銀粉を蒔いて、表面に定着させ磨く加飾技法のひとつです。日本では質の高い漆の生産がされていたこと、また、漆は湿度で乾く性質で気候風土が、細かな蒔絵を行うのに適していたことも相まって、都文化と共に発展しました。 手に触れるシフトノブに敢えて銀粉で蒔絵を施し、使い込むうちにいぶし銀に変化していく様を愛でる七宝柄としました。

誂え人

小山薫堂(放送作家)

CRAFTSMAN

宇佐美松鶴堂・髙田南勢堂工房(建具|車専用雪見障子)
兵働知也(京指物|室内棚、リアドア内部飾り棚、リアドアボックス)
横山充(一級畳製作技能士|和紙製畳)
竹内(錺金具|リアドア内部飾り棚用錺金具)
昇苑くみひも(京くみひも|リアドア内部飾り棚用組紐)
加地織物(西陣織|天井張地)
好謙漆工房(漆芸|シフトノブ蒔絵装飾)

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