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CRAFTSMAN

加納幸 西陣織

時代を先駆ける和装美

明治時代から5代続く西陣織の織元。自社の工房で織物を制作するほか、近年は、染めの着物や精密な刺繍によるオリジナル作品を手がけるなど、和装美を追求し極めた技術を用いて、常に時代が求めるデザインの織物を生み出しています。

加納幸
1889年設立。1987年和装として初めてVOGUE ParisにKimono Magicとして特集掲載。1988年英国ヴィクトリア&アルバート美術館意匠契約締結。1992年ロサンゼルスカウンティー美術館と日本の小袖取材意匠契約締結。2008年G8北海道洞爺湖サミットで各国首脳婦人への贈呈品に選ばれる。2018年Yumi Katsura 2018SSオートクチュールコレクションのファブリック(葛飾北斎の神奈川沖浪裏、モネの睡蓮)を制作。以後、多数制作。

  • 明治時代、日本画家尾竹竹坡によって描かれた帯の図案。『日本画の柔らかい表現を織物で再現する』という発想から、世界的にも類を見ない高度な織の技術が発展していきました。

  • 手機にかけられた経糸(たていと)1,200本。乾燥によって糸が切れやすくなるため、湿度を一定に保つ目的で昔は埋機(うめばた)といい地面の上に織機を設置する工夫がされていました。加納幸では今もこれを再現し、織物を製作しています。

  • 他の職人技術と同様、織り手の仕事は「見て覚える」世界。加納幸で腕を振るう若い職人は、「技術を残していきたい」という思いから、年配の職人から伝承された技術を、言語化していらっしゃいます。

  • 「立体的に織らなければ織物である意味がない」という哲学のもと、独自の表現に挑戦されています。この王朝レースという作品ではフランス王朝時代のレースを生地表面に貼り付けたかのような立体感の演出が見られます。

Photo: Kanoko