初代は御所出入りの指物師のもとで長年修行を積み、安政3年(1856年)京都御所南の夷川で京指物職として独立・創業されました。同社は、京指物の技術をベースに建築内装業へと事業を拡大し、昭和の新宮殿豊明殿の内装と家具も手がけています。企業として、技術継承に重きを置き、職人には木工技能士の資格を取得させ、これまでに2人の伝統工芸士を輩出されています。
また、伝統技術を守るだけではなく、現代のライフスタイルに必要な建築材の開発にも力を要れ、まさしく職人の技と近代的な技術とが共存し、木材のもつ美しさ・あたたかみを時代に合わせて引き出している企業です。
指物とは、板と板、板と棒、棒と棒を組み、指し合わせる木工芸のことをいいます。京指物は、調度指物、茶道指物、曲物、彫物、挽物、桶などとして高度な技術が発展していきました。特徴のひとつに桐製品を挙げることができます。桐材は水気を防ぎ、熱にも強いことから、収納調度の高級品の代名詞とえます。京指物で使う桐材は、長い自然乾燥、アク抜きといった素地作りに心を配り、木目の自然な風合いを基調とする仕上げを行います。
木材を乾燥させるために原木を板状に製材して、天然乾燥及び人工乾燥をしっかり行ってから、木地をつくります。
ねじれや反りのある板を矯正した後、寸法に合わせて荒削りを行います。
指尺(さしがね)や筋罫引き(すじけびき)などを用い寸法を決めていきます。
板と板を組み合わせるために、組手加工を行います。
組立て、接合部分や外周部分を平鉋(ひらがんな)で削り、仕上げ加工を行い完成です。