京都御所近くにある、正絹(シルクフィラメント)の細番手を得意としている糸染屋。染色の蒸気釜から立ち上がる湯気とラジオから流れる音楽が心地良い、活気ある工房では多くの職人が求める「色」を出すため一心不乱に仕事をしています。
染色は、糸から染める「先染め」とよばれる工程と、友禅に代表されるような白生地に染める「後染め」の大きく二つにわかれます。西陣織の特色の一つに「先染め」があり、糸染屋という仕事があります。糸染屋は撚り糸を精練し、色見本にあわせながら染めあげていきます。現代では、正絹を染める技法を絹紡・ナイロン・レーヨン・綿・アクリル・ポリエステルなど糸状になる様々な素材の染めに応用しています。
生糸の表層を覆っているセリシンや不純物を取り除く精錬工程
大きな蒸気釜で一気に染める機械染色と手釣を使う手染を用途によって使いわけている