CRAFTSMAN

楽芸工房 引箔

箔の魅力を無限に引きだす技とセンス

西陣織の帯表現には欠かせない引箔。村田氏は豪華絢爛でありながらも周りを引き立てる箔の表現を「日本的な美意識」と捉え大切にされています。「伝統産業を受け継いだ以上は、昔から受け継がれてきた技術を守りながら新しい挑戦を自分自身が行い、新しい方法を見出すこと。それが次の伝統をつくることになる。」という思いが村田氏の原動力です。

引箔作家 村田紘平楽芸工房
1977年 京都に生まれる。西陣織 箔屋『楽芸工房』三代目。大学進学と同時に父親に師事し、西陣織の帯地の特徴である「引箔」の制作技法を学ぶ。経済産業大臣指定伝統的工芸品 西陣織 製糸部門 伝統工芸士。

引箔(ひきはく)

西陣織帯地の特徴的な技法のひとつとして、引箔が挙げられます。単独で柄を表現するものではなく、織物の織柄に立体感をもたせるための技法です。和紙に漆などで色彩し、金銀箔で模様をつけた原紙を糸のように細く断裁した平箔をつくり、糸に撚らずに平箔のまま織物に織り込みます。平箔には表裏や順番通りに織込む必要があるため、一本ずつヘラに引っ掛け、引っぱることにより経糸の間を通します。ここから”引箔”の呼び名が生まれました。

  • 引箔職人による原紙への箔の装飾は、個人のセンスに委ねられアーティスト的な感覚の仕事ともいえます。

  • 今回の装飾に使用した材料「エイジング箔」。日本画家であった村田さんの祖父が後世のために貯蔵していた銀箔は、年月をかけて自然にゆっくりと色を変化させることでエイジング箔となり、落ち着きのある輝きを放ちます。

  • サングラスに箔を施す際、装飾をしない部分に丁寧にマスキングします。完成した商品からは分かりにくいですが、このマスキングが完成度を左右します。

  • 大きい箔の上に、粒の小さな箔を重ねて奥行きを出す技法はまさしく西陣の帯づくりで培われた技です。

  • 「泥金」と言われる工程。泥のように金をふんだんに使って、粘着フィルムで貼っては剥がしを繰り返し自然な奥行きを表現する技法です。

  • 箔を表現するキャンバスを和紙以外のものに応用するには接着やコーティングによる箔の色の変化など、多くのケーススタディの積み重ねによって実現します。

伝統的な仕事では、帯の材料として原紙に箔で表現をした後、約0.3㎜の細さに断裁し、織り手さんに託します。